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2021.01.29

留学生の学部違いの就職

この時期になると、外国人留学生のビザ変更の相談を受けます。
外国人留学生は日本人学生の就職と大きく違います。

日本人学生の場合は、学んできた知識ではなく人物重視の採用は可能です。
しかし基本的に、
外国人留学生は大学や専門学校で学んだ事と関連ある業務しかできません。

例えば、観光系の勉強をしてきた留学生が、自動車整備の会社で働くことはできません。
どうしても働きたいのであれば、「特定技能」のビザを取得する方法があります。
しかし「特定技能ビザ」を取得するためには、
ビザ変更手続きをする前に、「試験」に合格していなければなりません。
この試験は「日本語」意外に「実務」も試験に含まれます。
実務経験がない人は合格が難しい分野が存在します。

この試験は不定期なので、よく調べておく必要があります。
分野によって、担当省が違います。
「介護」「ビルクリーニング」・・・・・・・・・・・・・・・・・・厚労省
「素材系産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」・・・経産省
「建築」「造船・船用工業」「自動車整備」「航空」「宿泊」・・・・国交省
「農業」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」・・・・・・・・・・農水省
各省のHPで最新情報を確認してください。


大学生の場合は「通訳」という業務でビザが取れます。
これは学部・学科は関係ありません。
専門学校生でも通訳として3年の実務経験があれば就職できますが、
これに該当する人はほとんどいないでしょう。

ただしビザ変更手続きをする際には、
就職する会社側が入管に提出しなければならない資料があります。
その資料を入管がチェックをして、「通訳」の採用に疑問を持たれてしまえば、
ビザの交付はされなくなります。

会社が外国人留学生に対して「内定」を出していたとしても、
ビザの交付がされなければ、その会社で働くことができません。
2021.01.27

日本語学校の今後と設立について(509)

今回は、日本語学校の今後と設立について考えたいと思います。

日本語学校の今後

私が日本語教師になった20年ほど前は、政府は留学生3万人計画と言っていました。それが10万人になり30万人計画へと移っていきました。

2020年に30万人の目標は達成されましたが、個人的には少子化による大学の定員割れを減らすため、日本での労働力の確保のためにも、まだまだ留学生の数を増やしていくのではないかと思っています。

日本語学校や専門学校で学ぶ留学生の顔ぶれは、一昔前と比べて変わってきました。以前は教室の大半は中国人や韓国人でした。今も中国人は多いものの、ベトナム人が圧倒的に増えてきています。

日本の外国人留学生ランキング(一般財団法人 日本語教育振興協会調べ 2019年)
1位・中国:    16,922人
2位・ベトナム:  14,440人
3位・ネパール:   3,537人
4位・スリランカ:  1,976人
5位・台湾:     1,786人

ちなみに、世界で日本語を学んでいる人は、2020年の調査で385万人もいるそうです。1位中国、2位インドネシア、3位韓国となっています。
このようにみると、これから日本語学校を設立する際に学生募集をかける国が見えてくる気がします。

世界の日本語学習者ランキング(独立行政法人 国際交流基金調べ 2019年)
1位・中国 :    1,004,625人
2位・インドネシア:  706,603人
3位・韓国:      531,511人
4位・オーストラリア: 405,175人
5位・タイ:      184,962人

学校設立について
さて、当事務所に相談に来られる方を見ると、身近に適当な空き物件を見つけたときに、日本語学校でもやってみようかと思いつく事が多いようです。

物件の事は後日書こうと思いますが、部屋の広さで学生数が決められますので、学校設立時に最大収容数(=最大収入額)が決まってしまいます。

開校の約2年後に増員申請はできますが、教室が狭ければ申請できません。
それ以外にも学生の進学率や出席率など、クリアーしなければならない条件があります。

ちなみに開校時に申請できる人数は最大100名です。
後々の経営のことを考えて建物(教室)を決めるべきです。

しかし、私が建物よりも重要だと感じているのは、学校開設前の人の確保です。
現状、個人事業として日本語学校を一人で立ち上げようとされる方が圧倒的に多いです。

当事務所の場合、一人で始めたものの分からない事が多く、
相談に来られるのですが、
いつも「日本語学校を一人で作りあげることはできません」とアドバイスしています。

日本語学校設立の困難な点は、日本語学校の認可申請時に、「明日からでも授業ができる体制」になっていないと駄目な所です。

資金、運営のことだけでなく、授業のカリキュラム、各先生のスケジュール、
留学生の生活面のフォロー等の計画書を細かく作成し提出します。

経験の有る部分はまだしも、経験の無い部分を本やネットを見ながら作成しても、文科省のヒアリングでひっくり返されかねません。絶対に協力者を先に探すことです。どうせ後々探すことになるのですから。

最低でも、校長となる人と、主任になる人が必要です。
三人いれば、なんとか仕事の分担ができるでしょう。

まず、校長候補、主任候補を探してください。
ただし、この人達も要件があります。

校長の要件
1. 日本語教育機関の運営に必要な識見を持っていること
2. 教育に関する業務に原則として5年以上従事した者であること

主任要件
1. 教育課程の編成及び他の教員の指導を行うのに必要な知識及び能力を有すること
2. 認定校で常勤での3年以上の日本語教員としての経験を有していること

となっています。

特に主任候補は早急に決めてください。
提出書類には主任でしか、または長年日本語教師の経験があるものでしか作成できない書類があります。
これが完成しないと文科省のヒアリングで泣きを見ることになります。
以前、主任のことについて書いた文章があります。ご参考ください。

日本語学校の主任に求めるもの ☚クリック
2021.01.26

ホテル業で外国人を雇用する

現在はコロナ禍にあり、ホテル業界は飲食業界同様に打撃を受けています。
ワクチン接種が全世界に広まりコロナが終息すれば、
また外国からの観光客も戻ってくると見越して、
外国人スタッフの雇用の検討をしている所もあります。

ただし、ホテルでの外国人雇用に関しては細心の注意点を払う必要があります。
どんな仕事をするのかで雇える人もビザも変わってくるからです。

通訳

大学や短大を卒業していれば、学部を問わず通訳をすることができます。
「技術・人文・国際」のビザを取得します。

専門学校の場合は、少し注意が必要です。

・専門学校で通訳・翻訳の勉強をしていること
・専門学校で「専門士」の学位が取れること
・3年以上の実務経験があること
これらの要件を満たしていなければなりません。


フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供

これは「特定技能」とよばれる資格です。
これを持つためには、日本国が実施している試験に合格して資格を得なければなりません。本来は外国で試験を受けて、労働者として入国するのですが、
まだこの制度はできて間もないため、各国への周知が十分ではなく、現在は日本国内でも試験が受けられるようになっています。
ですので、日本にいる留学生がこの試験を受けることができます。

ただし、注意が必要です
「試験」はいつでも実施している訳ではありませんので、国交省のHPなどで確認しなければなりません。
また、一般の外国人留学生が就職するときに取得する「技術・人文・国際」ビザは期間を更新して日本に留まって仕事を続けることが可能ですが、「特定技能」ビザは「特定技能1号」の場合は最大5年までで更新できません。それ以上働いてもらうには、「特定技能2号」の試験を受けて合格しなければなりません。

会社側のフォローが不可欠になってきます。


#ホテル業 #特定技能 #在留ビザ #外国人雇用 #在留資格
2021.01.20

「技・人・国」のビザから永住権ビザへ (506)

日本だけでなく、世界中でコロナ禍は収束をみせません。
個人経営や中小企業だけでなく、大企業も体力がなくなりつつあるように見えます。

会社の体力が無くなってくると、どうしても人員削減が出てくるでしょう。
それは、いつ訪れるか従業員には分からない部分であるかもしれません。
特に「技・人・国」のビザで日本で働いている外国人は、戦々恐々といった部分もあると思います。
このビザで働いている人が解雇されると、すぐに再就職できた場合や特別な理由がある場合を除いて、
一定期間後に帰国せざるを得なくなります。

これを機に帰国しようと思う人はいいですが、まだ日本で働きたい人は早めの対策が必要なのではないでしょうか。
その対策の一つとして、「技・人・国」のビザから「永住権」ビザへの変更はどうでしょう。
正直簡単ではありませんが、以下の条件を満たしている人を考えてみてもいいのではないでしょうか。

 1)日本の法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難をされていない事
 2)独立生計を営むに足りる資産、または技能を有する事
 3)原則として連続して10年以上、日本で生活している事
 4)罰則刑や懲役刑がなく、納税などの公的義務を適正に履行している事
 5)今持っている資格の在留期間が最長である事
 6)公衆衛生上の観点から有害となる恐れがない事
 
今の職場を解雇されてから申請しては、2)が満たされません。

ただし、注意が必要です
永住権を取得できれば、職場を解雇されたから即帰国とはなりませんが、
職がなくなれば収入がないわけですから、いずれ生活ができなくなります。
次の収入源を探さなければならない事に変わりはありません。
2021.01.13

技能実習生の法定講座

昨年春からコロナが大流行し、外国人技能実習生が一時、入国できなくなっていました。

それが同10月に緩和され、今は少しづつ技能実習生が入ってきています。

今週にでも出されるであろう、緊急事態宣言で今後どうなるかは分かりませんが。




私が法定講座をしている組織では、ちゃんと検査をし、入国後にもきちっと隔離していますし、

実習生も目を盗んで出歩くようなことはしていないみたです。

本人達も働けなくなるリスクを知りながら、街を出歩く気持ちにはなれないようです。




さて、昨日はそんな彼らに技能実習生に関係する入管法や労働法などの日本の法律を教える講座をしてきました。

まだ日本語の理解が十分できないので、こちらが少し早口になったり、言葉が難しいと、

困った顔をしてくれるので、「ああ、失敗、失敗」と思いながら、

彼らができるだけ理解できるように、話速をゆっくりに、言葉をできるだけ簡単にします。

(私は日本語教師でもあるのですが、この辺りは日本語教師でよかったと思う瞬間です)




講座は実に8時間にも及びます。

8時間も法律の事を聞かされると、私なんかは疲れますが、

本当に頑張って聞いていましたし、質問にも反応してくれました。




彼等の中には、昨日の講座が終わって、今日から実習地へ向かう人もいました。

良い思い出を作ってほしいなあと思います。
2021.01.01

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

本年もさらなるサービス向上に向け気持ちを新たに取り組んでまいります。

本年も変わらぬご愛顧のほど心よりお願い申し上げます。


しまお行政書士事務所
2020.12.30

年末のご挨拶

2020年も残すところあと僅かとなりました。

今年はコロナ禍の影響で色々ありましたが、

なんとか乗り切ることができました。

これは皆様の多大なご支援のお陰であり、大変感謝しております。

来年もどうぞ宜しくお願い致します。

今年1年ありがとうございました。

良いお年をお過ごし下さいませ。




しまお行政書士事務所
2020.12.15

みなし再入国

在留資格を持つ外国人が日本国外へ行く場合、再入国手続きをする必要があります。
「みなし再入国」といいます。

みなし再入国許可の有効期間は1年です。
出国の日から1年以内に再入国しなければならず、
また、在留期間の満了日が出国の日から1年を経過する前に到来する場合は、
その在留期間の満了日までに再入国する必要があります。
このみなし再入国許可で出国した場合は、その有効期間を海外で延長はできません。
もし、出国後1年以内に再入国しなかった場合は、在留資格を失うことになります。

手続きは地方出入国在留管理局か、空港や海港の出国審査場で行います。
出国記録カード(再入国EDカード)の出国予定期間を「1年以内」に、
再入国の意思表示確認欄の「1.一時的な出国であり、再入国する予定です。」にそれぞれチェックを入れて、
入国審査官に在留カードを提示する際に提出してください。

間違えて「2.『再入国許可』の有効期限内に再入国の予定はありません」にチェックを入れないでください。
入国審査官からの在留カード返却がない上に、再入国ができなくなります。
2020.11.17

外国人配偶者の戸籍表記

外国人が日本人と結婚した場合、戸籍はどうなるのか?

先ず日本人は結婚するまで、親の戸籍に入っています。
結婚をすると、親の戸籍を抜け、新しい戸籍を得ます。

その日本人の戸籍の中に、外国人配偶者の氏名や国籍が明記されます。
これが結婚している証明になります。

外国人は日本人ではないので戸籍は存在しません。

ただし、住民票はあります。
2020.11.17

「特定技能」ビザ取得のための試験資格

これまでは、「中長期在留者及び過去に中長期在留者として在留していた経験を有する方」となっていましたが、

これを「在留資格をもってざいりゅうする方については一律に在留を認める」となりました。


「中長期在留者及び過去に中長期在留者として在留していた経験を有する方」
                
「在留資格をもって在留する方については一律に受験を認める」

これは過去に中長期在留の経験がなくても受験目的として「短期滞在」の在留資格により入国し
受験することが可能になったということです。

なお、在留資格を有していない(不法残留者等)については、受験できません。


法務省は次のことも言っています。

「ただし、試験に合格することができたとしても、そのことをもって「特定技能」の在留資格が付与されることを保証したものではなく、
試験合格者に係る在留資格認定証明書交付申請又は在留資格変更許可申請がなされたとしても、
必ずしも在留資格認定証明書の交付や在留資格変更の許可を受けられるものではないことにご留意願います。」


これは、「「特定技能の試験に合格」=「絶対にビザが交付される」とは限らない。」ということです。




個人的には、この法務省の表記の仕方では、「観光目的」や「親族訪問」等で短期入国している外国人の受験は認めていないということになるのではないかと思われます。