2022.01.19
2021年の秋頃は落ち着いていたコロナも、
オミクロン株の影響でまた新規関権者の数が激増しています。
そんな中、昨年末あたりから「今、日本語学校設立をすることをどう思いますか」
という問い合わせが数件あります。
2022年1月現在の留学生の入国状況は、
「国費留学生の入国を検討する」といった内容です。
日本語学校に携わっている方なら、推測できると思いますが、
日本語学校に在籍している学生のほとんどは「私費留学生」です。
私も約18年日本語教師をしてきて「国費留学生」を見たことがありません。
余談ですが、私が大学生の頃に同じ学科に1人国費留学生がいました。
彼は母国から直接日本の大学に入学していたような記憶があります。
日本語学校を経由してなかったと思います。
現在国内の日本語学校の多くは、ほぼ1年新規の留学生が入学していません。
日本語学校の学生は1.5年又は2年で卒業します。
今日本語学校に在籍している学生が卒業して、新規入学者がいなければどうなるのでしょうか?
存続の危機に瀕している日本語学校は多いでしょう。
そんな業界に新規参入するのは大丈夫かということですが、
まずシステム的に学校の設立申請をしても3-4か月で開校できません。
申請書を入国管理庁へ提出し、現地調査を受け、文科省のヒアリングを受けます。
文科省のヒアリングの結果だけでも2-3か月かかります。
学生募集は開校の認可を受けてからしかできないようになっています。
入国管理庁に書類を申請できるのは、4月と10月の2回だけです。
4月に申請したとして、上記のような経緯を順調に進んだとしても、
開校して学生を迎えられるのは最短で翌年の4月です。
この部分の期間は削れません。
しかも入国管理庁に提出する書類の内容は、
全て現実に沿ったものでなければなりません。
つまり申請書を提出する時点で、
明日からでも授業ができるようになっていなければならないということです。
「書類を提出してから準備する」はできません。
書類を提出して直ぐにに、入国管理庁の職員が現地調査に来ます。
書類の内容と現地の状態に差異があれば、次のステップに進めません。
明日にでも授業ができるということは、
基準を満たした建物が存在し、教員や事務職員がいて、年間の学校のスケジュール、授業スケジュールが存在し、
スケジュールに沿った教材の選定ができており、学生の宿舎も確保できている 等
多岐の条件が基準を満たしているということです。
これは、申請書を入国管理庁に提出する前に完了していなければならないことです。
この中でも、年間の授業スケジュールや教材選定は、
かなり練りこまなければなりません。
なぜなら、文科省のヒアリングで一番聞かれる所だからです。
日本語学校は学生を預かる場所ですから、
ヒアリングはシビアなものになります。
私はこの準備に少なくとも4~5か月は要すると考えています。
申請前に4~5か月かかると考えると、
申請後1年かかる訳ですから、最低で通算1.5年を見ておいた方がいいと思っていますし、
そうお答えしております。
つまり、今から準備しても1.5年以上かかる。
その時に日本が留学生の入国を緩和しているかどうかです。
日本語学校の経営を考えておられる方は、
その辺を考えてみてはいかがでしょうか。
島尾